saludos60のブログ

ついに60代になりました。いいことも悪いことも一日一日を楽しんで暮らしています。

形見。その意味を知る。

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鏡台の上で、何かを語るかのように

存在感を増すこの水色

毎日、この水色を眺めている。

 

これは、いわゆる 形見

 

母のものだった。

ターコイズ(トルコ石)のブローチ

この色が大好き。

少し色や、中の柄が変わった気がする。

生きているみたい。

でもこの水色は、昔のまま。

 

 

 

子供の頃から、母の嫁入り道具の和鏡台の引き出しにはいってて

ちゃんとありかを知ってる、私の宝物でもあった。

小さな抽斗の、一番奥。

小さな白い箱に入ってた。

 

母がいない時、こっそり開けては取り出して

自分の服に付けて見たり、指で触ってみたり。

ひんやりとした、あの石の感触を今も覚えている。

ブローチの裏はこんな風に

 

 

 

下の傷は、多分私がつけたもの。

ちょっと汚れてたのが嫌で(多分銀の黒ズミ)

何かで、ひっかいてしまった。

 

でも、そのことを怒られたこともない。

一回だけ母が、手に取ってみていた時に

ちょっと首をかしげたことがあっただけ。

 

ちょっとおしゃれなセーターや、スーツ

例えばお正月、親類宅へ行くときとか、

スーツの襟とか首元とかに、母はこれをつけていた。

すごく素敵で、心が躍った。

このブローチが好きだった。

この色が大好きだった。

そして、このブローチが似合う母が大好きだった。

 

 

これは、私が4歳の時

父が仕事でアメリカに行き、母に買って来たお土産。

出発の日、羽田まで

母と姉は叔父の車に乗って父を送って行った。

私だけ、祖母とお留守番

置いてきぼりが悲しくて

父を一緒に送りたくて

ワーワー泣いて困らせた記憶がある。

着ていたかわいい毛糸のズボンまで覚えている。

裏の木戸のところで、みんなが出られないように

ふたつある下のカギをかけたりして抵抗。

結局は開けられ、あえなく敗戦。

泣きわめき、やさしい祖母に抱かれて

最後は、しょうがないんだ、と諦めた。

手を振って、行ってらっしゃいって。

父の困った顔も思い出してしまう。

 

父は、1か月以上帰って来なかった。

ガソリンスタンドの視察だった。

当時、高度経済成長の時代の真っただ中

いわゆる、モーレツ社員だったのだろう。

1ドルが360円の時代。

 

その時の母へのお土産である。

私へのお土産は、帰りに寄ったハワイのムームー。

ちっちゃい体には大きくて、あげをして詰めて

何年も来ていた。

それも、綺麗な水色の生地にハワイっぽい草花が描かれていた。

父は、出張ばかりで家にいる時は、庭いじりと、盆栽三昧。

庭には、数百鉢の盆栽が並んでいたなあ。

ブランコでぶつけてしまって、よく怒られたっけ。

 

 

この水色を眺めていると、次から次へと

父や母のことが思い出されるから不思議。

60年近く前の話なのに。

自分はちいっちゃな子供のまま。

 

 

形見の品って、その形を見て

亡くなった人を思い出すという意味。

 

 

ようやく、ようやく

そう言う意味が、良く分かったような気がする。

 

今は、私の宝物。

もう少し磨いて、綺麗にしておこうかな。

将来は、私の形見になる。

娘は、この水色を眺めて何を思い出すのかな(*^_^*)

 

 

お読みいただきありがとうございます。

それでは、Saludos!!!

 

 

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