saludos60のブログ

ついに60代になりました。いいことも悪いことも一日一日を楽しんで暮らしています。

まぼろしの町。向こうの世界って

向こうの世界って?

 

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ーねえ、あの窓の向こうには一体なにがあるんだろう?

 

空があるだけさ。

見たことはないけど、その先には海がある。

 

向こうに見えるたくさんの家は、みんなまぼろしなんだよ。

今は見えているけど、あと10分もすればみんな消えてしまうんだ。

 

ーじゃあ、なぜ今見えているの?

ー君にも見えているんでしょ?

 

それは、ぼくたちが、見たいと思うからさ。

心の中でずっと思ってるから、そう見えるだけさ。

 

そうだな、あの家。あの屋根。多くの人。

見えるかい??

 

ーうん

 

でもね、ぜんぶ本物じゃないんだよ。

もう、とうの昔になくなってしまった残骸なんだ。

ほら、ぼくの家もあの辺りだった。

 

大きな地震があって、家は全部壊れ、海から水が押し寄せたんだ。

そして

みんな、無くなってしまった。

父さんから、聞いた話だ。

 

ーこわいよ。

ーまた、そういうことが起きるの?

 

そうだね、多分。

近いうちに、起きるんだろうな。

だから、僕たちは、ここに居るんだよ。

生き延びた人たちの子供だからね。

ここは、安全なのさ。

 

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でもね、みんな。

この窓から、向こうの世界を見てしまうと、

他の世界を知りたくてたまらなくなる。

なぜ、ずっとここに居なくてはいけないのか、わからなくなるんだ。

 

ーぼくも。

ーずっとずっと、ココしか知らないよ。

ーこの窓を飛び越えて、向こうの世界に行ってみたいよ。

 

イヤ、イヤ、だめだ!

絶対、行ってはダメだよ。

何が起こるかわからないよ。

本物の生き物なんか、いやしないさ。

すべて、まぼろしなんだから。

もう、帰ってこれなくなるんだ。

それでも行きたいかい?

 

3年前、友達が一人、この窓を飛び越えて、出て行ってしまった。

しばらく手を振っていたけど、ぴゅーっと風が吹いたんだ。

そして、真っ黒な何かに、首根っこつかまれて、見えなくなった。

それっきり、友達は帰ってこない。

 

あの町は、多分

幽霊の町。

 

向こうの世界は、まぼろしの町なんだ。

ほら見て!

遠い地平線から、色が変わって来たよ。

もうすぐ、すべて無くなってしまうよ。

消えてしまうんだ。

 

ーぼくたち、ここにいいるしかないんだね。

ーずっーと。。。

 

今は、そうするしかないと思うよ。

あの窓を超えさえしなければ、何も起こらない。

安全に暮らせる。

 

今はね。。。

でも、また大地震が起きたら。

まぼろしの町に、放り出されてしまうかも。

向こうの世界の人になってしまったら、、、

もう終わりだ。

 

ーじゃあ、どうすればいいの???

ーここにいても、だめなんじゃないの?

 

そうだね。

考えないといけないかもしれない。

真剣に。

 

ーやっぱり、ぼく、恐いよ。

 

大丈夫。

ずっと一緒にいるからね。

もう、まぼろしの町は、すっかり見えなくなったね。

 

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ほら、空だよ。

大きくて、暖かい

本物の月と空だけだ。

本物だけを、信じていくことだが大事なんだ。

 

 

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フィクションです。

お読みいただきありがとうございます。

それでは、Saludos!!!

 

 

 

 

 

 

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